日記@ 日記A 日記B

神田古書祭の余韻で…
本日神保町でgetした古書は日記にも書いた「江戸」のほかに3冊。

■黒船前夜の出会い 捕鯨船長クーパーの来航/平尾信子著・NHKbooks(600円)

ペリー来航の8年前に浦賀に現れたアメリカの捕鯨船マンハッタン号に焦点を当て、日本開国に向けて工作するアメリカの動きを見ていく本。筆者の平尾信子さんはアメリカ・ニューヨークにも滞在しており、アメリカ側の多彩な参考文献も興味深い。(海坂書房にて)

■天誅組烈士吉村虎太郎/平尾道夫著・大道書房(2000円)

何度読んでもよくわからない天誅組なのだが、平尾さんの虎太郎本にも挑戦してみようとget。中に私が研究題材にしている清河八郎に宛てた手紙が収録されていたので買ってよかった。ちょっと読んでみたら浪士組が東帰する直前、吉村虎太郎が伊藤俊輔とともに清河を訪ねたとある!ちょっと驚き。どういうつながりなのか知らん?どきどき。(叢文閣書店にて)

■幕末海防史の研究−全国的に見た日本の海防態勢−/原剛著・名著出版(2600円)

幕府の海防政策と全国諸藩の海防態勢が載っている。あとペリー来航前後に築造された台場の全国地図の口絵がたくさんついている。北のほうはほとんど無くて、多いのは山陰・山陽と九州は対馬近辺がすごい数。佐渡もすごい。幕府海防策の章では徳川斉昭の「露を以て米を制す」策なども載っている。めちゃくちゃおもしろそうな本だ。わくわく(文華堂書店にて)

■江戸一〜五/江戸旧事采訪会編・大久保利兼編・立体社(全部で30000円)

相場では一冊@四万円はするはずのお宝本がなぜか五冊で三万円。ほとんど新品といってよい品物。安っ
一〜二巻は幕政編、三は渉外編、四が戦記編、五は人物編となっている。全部で七巻まである。どの巻も目次を見るだけでもどっきどきのラインナップ。
一では西周の議題草案(大河ドラマで慶喜と周が練ってたアレ)と東禅寺事件の水野筑後守記録、二は鳥の跡という連載ものの中に伊庭八郎の和歌が載っているのとか、三は「阿蘭陀国へ軍艦注文の事、水野筑後守万延元年遣米使に関する記事、四の戦記編には宮古湾海戦記と林昌之介の一夢林翁戊辰出陣記と伊庭八郎の西征日記が載っている。あと小田原藩の戊辰国難記もおもしろい。
2003.11.09




箱館戦争関連の書籍など
ここ数ヶ月間に積み上げた書籍のうち、左端から順に整理することにする。今のところ5列積まれています…汗

◆戊辰白川口戦争記復刻刊行会「戊辰白河口戦争記 復刻」佐久間律堂

昭和16年に発行された戊辰白河口戦争記の復刻本。奥羽越列藩(主に仙台藩)の兵が小山から攻めあがってきた東山道先鋒隊との戦う様がよくわかる。日にちからいうと明治元年の閏4月あたりから11月あたりですな。復刻にあたり本編で登場する人物のうち100人を選んで解説が付けられているのが重宝。付録の図版、写真などもうれしい。

◆毎日新聞社「箱館戦争」武田八洲満(1000円)

よくわからずにネットでget。慶応4年の8月、旧幕府軍が品川を脱出するところから明治4年、出所するところまでをいろいろな史料をもとにたどった本。おなじみのキャラがまんべんなく出てくるので読めば楽しそうな感じ。

◆中央公論社「武揚伝・上下」佐々木譲(2100円)

小説なのだが作者の佐々木譲氏は小説家にして東京農業大学客員教授ということもあり、膨大な史料を元に信頼のおける書き方に好感を覚える。上巻では榎本の青春時代が非常にきめ細かに書かれておりするする読めてしまう。勝海舟などはめためたにやられているが、釜さんファンにはにこにこの本。分厚いので手が疲れる、などと文句を言ってはいけないのである。

◆新人物往来社「雲井龍雄」童門冬二(2600円)

書き手が童門先生というところになにやら怪しいものを感じる。が、雲井本は珍しいのでとりあえずgetしてみた。ちょっと高かったかもしれない。だって小説なんだもの…

◆新人物往来社「沖田総司血涙録」童門冬二(3000円)

またまた童門先生である。昔の沖田本はどうもチェックの目が緩い私。一応買って手元に置きたいと思ってしまうのです。中身は小説。ああやっぱり3000円は高かったかも…(懲りない)

◆新人物往来社「勝海舟の参謀 藤沢志摩守」安西愈(1000円)

佐々木譲先生の影響によりどうも勝海舟には怪しいものを感じる。参謀藤沢氏はノーチェックだったためちょっと勉強してみようと思いget。どうなんでしょう?

◆五稜郭タワー「箱館英学-見て歩き候〜もし箱館に黒船が来なかったら〜」井上能孝(1200円)

箱館史跡案内とちょっとした読み物。大判サイズで写真も沢山。五稜郭タワーでも売っている。

◆「古屋佐久左衛門伝」篠原正一(1500円)

ネットで買ったのだが、本の厚さが5ミリくらいしかない。が、高松家所蔵の史料から作成された古屋・高松兄弟の年譜は重宝。発行者も高松家の子孫のよう。

◆平尾道雄「新撰組史録」(白竜社)3000円 

お買い得v新人物往来社から出ている定本新撰組史録のほうは最近復刻されたのだが、定本のほうは子母沢寛の新選組本に影響されて書き換えちゃったところが沢山あるのだ。子母澤さんの本は今では小説の色合いが濃いとされているので、影響を受けてないほうが欲しかった。3000円は安いと思われ。

◆平尾道雄「戊辰戦争」(新人物往来社)1200円 

鳥羽伏見から箱館戦争までを史料を元にたどった本。超お買い得vだと思って買ったのだが、内容はどうなのかな?

◆金子治司「幕末の日本」(早川書房)1000円 

郷土史家が調べた細かい史実をたくさん集めて、その点と点を結ぶように取材して紡いだ本。なかなか盛りだくさんです。私は神田お玉が池の東条一堂先生と千葉周作の話に惹かれて買ったんですが、とにかくネタが細かくて面白いんです。榎本武揚の息子は名前を金八といいましたが、この名前は自分の釜次郎の釜の字を分割してひっくり返したものなんだそうな。釜…八と金で金八。因みに武揚のお兄さんは鍋太郎というのだ。鍋に釜…。

◆豊田小八郎「田中河内介」(河州公顕頌臥龍会)1000円 

寺田屋事件のころに清河ちゃんがお世話になってた田中さんの本。清河ちゃんが九州遊説の旅に出るとき、いろいろ紹介状を書いてもらったときのくだりも書かれている。豊田氏は明治33年に一度小伝を出していて、こちらは田中河内介の顕彰碑を建立したときに記念として発行されたらしい。

◆川路柳西「開国史話黒船記」(法政大学出版)1000円 

幕府遣英留学生の日記、川路聖謨とゴンチャロフの話(長崎日記の解説)、開国は井伊直弼の英断か?など素敵な見出しが沢山vvペリー来航に興味深々なので面白いかと思って。

◆会津弔霊義会「戊辰殉難追悼録」(会津弔霊義会)2000円 

戊辰戦争で殉死した会津藩士の慰霊碑に関する解説書。会津弔霊義会の会則の本なのだが阿弥陀寺にはじまり、会津の殉難慰霊碑について詳しく書かれている。

2003.07.13


歴史紀行や随筆
とにかく積み上げてある本をなんとか整理せねば足の踏み場が…という訳で、今日は紀行とか四方山本を整理してみることに。おおよそネットで狙い買いしたものなので、中身はどうかな…?

◆新人物往来社「自刃〜幕末志士の死にかた」冨成博3000円

昭和47年発行なので初期幕末ブームに乗って出された本。この頃に出た本はなかなか良いものが多いのでどうするか迷いながらも買ってみた。小説色の強い本だが、初めに載ってる話は安政年間の開国の話で、阿部正弘とか堀田正睦などが登場する。そのほか有村治左衛門、堀織部正、内田万之助、森山新蔵、長井雅楽、来原良蔵、周布政之助などの生涯。

◆山川出版社「北海道の歴史散歩」北海道歴史教育研究会500円 

北海道全般、幕末明治期の史跡が解説されており、箱館港などの歴史が載っているのがいい。文庫サイズなので持ち歩きにも便利。山川の北海道案内かぁ、、なんていうところに反応したり。

◆新日本教育図書「歴史散歩 城下町萩」古川薫600円 

長州ものを多く書いている作家古川薫先生の萩案内。建物の風景写真ほか幕末志士の遺品などもカラー写真で載っている。史跡マップとエッセーも楽しく読める。

◆文化出版局「NHK趣味の手帳より幕末余話」500円 

円通寺の和尚さんによる彰義隊の話、中島三郎助の話、万延元年の遣頴米使節団の中に佐賀藩士が8人いて、その人たちの日記の話、坂本龍馬の手紙、幕末にチェーン店展開をした越前の大野屋さんの話とか、瓦版の話とか盛りだくさん。

◆日本文芸社「幕末・維新史の謎」長文連 3500円 

徳川幕府崩壊の謎、京都朝廷進出の謎、薩州島津藩台頭の謎、3つの謎について細かい章を追って検証している。トンデモ本にしては値段が高いのでちゃんとした史料だと思うのだが、日本文芸だし…
岩倉具視の発言権が強いのは何故かとか、井伊大老の人物評とか、家茂は病死か?とか、興味あるタイトルが沢山。

◆古橋懐古館「資料集第一明治維新の人々」古橋千嘉子1200円 

三河古橋家所蔵の遺墨を写真つきで解説しているもの。国学者、勤皇家、維新志士など幅広い人物の遺墨がおさめられている。清河八郎の実家に宛てたプライベートな手紙などもあって、吉田松陰から松平春嶽まで、幅広く凄いコレクション。古橋懐古館は一般公開されているらしい。一度行ってみたいものだ。

◆産能大学出版「私の明治維新〜聞き書き有馬藤太」上野一郎2500円 

「維新史の片鱗」という有馬藤太81歳当時の聞き書き本を現代文に書き起こしたもので、原書は漢文だったらしい。戊辰戦争体験者の話であるから、聞いたことのある名前がバンバン出てきて凄く面白い。しかも大変な毒舌で薩長軍の仲間を罵倒しまくる(笑)。西郷先生激ラブ。桐野利秋が多出。
2002.10.06


戊辰戦争関連
ネットオークションを利用することを思いつき、何冊かネット購入してみたが、個人出品の良品を落札するの割高のような気がするので、今までどおり基本的には古書店を利用することに。でも、業者が出品しているものは手軽で安価なので、物を見て利用する方針で。以下戦利品。

◆新人物往来社「幕末維新戊辰戦争辞典」太田俊穂監修3000円 

戊辰戦争の始まり、鳥羽伏見の戦いから順次、戦闘ごとに解説し、五稜郭開場、戦後処理までを収録した本。これ1冊読破すれば戊辰戦争のアウトラインが押さえられる。戦闘ごとに行軍の図説がついていて重宝。

◆新人物往来社「五稜郭悲話」新人物往来社編1400円 

古書店からネットで購入した。数人の執筆者によって旧幕側の12人について書かれた本。榎釜、中島三郎助、伊庭、土方、永井蠖伸斎、高松稜雲、ブリューネ、星恂、柳川熊吉、武田斐三郎、人見勝太郎、田本研造。中島三郎助の項が興味深く、根明な人柄と壮絶な最期が涙を誘う。

◆レター出版「奥州千年戦その三戊辰戦争忠魂録」樫山巌800円 

会津の戊辰戦争について浜通り、中通り、裏通りに章を分けて書かれている。戦死した人の名前と場所が列記されていて戦況図なども載っており、史跡を訪ねるとき参考になる。

◆新人物往来社「会津戊辰戦争写真集」菊地明、横田淳1700円 

会津の史跡を巡ってきたあとに見ると解説がついているのでイイかも。地図がついていれば完璧なんだけどなあ…

◆恒文社「戊辰任侠録越後の侠客観音寺久左衛門」中島欣也500円 

立見鑑三郎さんの本などで有名な中島さんということでget。自藩は西軍につく中、負けると知りつつ会津藩に味方したインテリ親分の話で最小説なのかな?と思ったが文献も載ってるもよう。

◆自費出版「都城と戊辰戦争」籠谷真智子2900円 

筆者は島津家から都城隊について調査を依頼されたらしい。都城隊は薩摩藩の小隊で、会津城が降伏してから城門の警護などをしていたらしいのだが、京都では新選組にもたびたび遭遇しているらしく、高台寺党のことなども書かれていたので買ってみた。伊東甲子太郎のことは「伊東嘉四郎」と書かれていて、新選組と薩摩兵との関係なども触れられていて興味深い。

◆PHP研究所「戊辰戦争を歩く」清水幸義1400円 

鳥羽伏見から会津までの紀行文。とくに詳細な地図や写真は載っていないが、その場所を訪れたことのある人が読むと面白いと思う。この場所でこんな話が伝わっている、というような解説が良い。

◆新人物往来社「土方歳三戊辰戦記」田中真理子+松本直子5000円 

ネットオークションで買ったので少々高い。田中さんと松本さんはコンビで水戸の天狗党本も出していて、それがとても面白かったので土方本もさぞ面白かろうと思ってget。面白い面白い。特に近藤勇亡き後、お神酒徳利秋月論などは読んでいてにこにこしてしまう。あと永倉新八の話では、入布新と永倉新八が同一人物といえるかどうか筆跡で比べみるなど、面白いところをいろいろ拾っているので、是非読んでおきたい一冊。

2002.10.06


土佐勤王党関連
最近嵌りつつある土佐藩関連の書物を整理してみたら、またチェックしてないものがごろごろ。武市半平太の周辺に興味を持ち、積読されていたものを拾い読みしつつ…

◆中公文庫「鯨海酔侯山内容堂」吉村淑甫500円 

山内容堂の晩年にスポットをあて、その風流な暮らしっぷりを書いた本。容堂さんは明治になってからはすっかり一般ピープルとなって柳橋の芸者お愛さんと激激ラブラブな晩年を過ごしたもよう。史料と写真がふんだんに盛り込まれ、興味深く読める。後藤象二郎は下戸でうるめ鰯が好物だったとか、どーでもいいようなエピソードも楽しい。筆者吉村さんは高知県歴史民族資料館の館長さんだったそうな。著書はこのほかに「近長次郎」などがある。

◆叢文社「幕末無頼山内容堂」島本征彦1200円 

酒と女と詩と政争。花の喧嘩大名一代記とのことで小説だが面白いかと思って買ってみた。武市半平太と容堂の対面のところなど読んでみたが史実とは微妙に異なるようだ。面白いけども。

◆中公新書「中岡慎太郎 維新の周旋家」宮地佐一郎400円 

中公新書の中岡ちゃん本はなかなか売ってない。時勢論とか読んだことないし、実は陸援隊のこともぜんぜん知らなかったので中岡慎太郎入門書として購入。巻末に関係資料本リストが。

◆中公新書「武市半平太 ある草莽の実像」入交好脩400円 

中公新書の武市本もなかなか売ってない。武市半平太については土佐勤皇党を率いてライバル長州と勤皇活動デッドヒートを繰り広げ、天誅しまくるあたり、単なる負けず嫌いなのか?? という印象であんまりよく思ってなかったのだが、芝居の影響でちょっと紐解いてみたら面白い面白い。この本は土佐勤皇党結成から8・18の政変のあたりの京都の情勢なんかもよくわかる。武市先生は容堂侯激ラブのあまり何かにつけ身を案じたりしているのだが、牢屋に入れられて勤皇活動から遠のくと、だんだん容堂侯を批判しはじめたりして。ときに入交先生の著作は以前、経済学の論文をgetしたことがあるが、武市半平太のことも書いてあった。そして、孝明天皇の疑惑についてもいろいろ書いておられるのだった。
2002.1.8


古武道と山岡鉄舟
部屋の模様替えをしたら、新しく買って来た本と前からあった本が混ざってしまい、本棚から身整理のものを発掘しつつ記録することになった。おお、そういえばこんなのも買ったねぇ!つうのがいろいろ出ました。

◆愛隆堂「夢想神伝流居合道」山蔦重吉2000円 

基本用語解説と、なによりも写真入で技を紹介しているのが目を引いた。絵描きの参考にしようと思って購入。

◆青蛙房「図説古武道史」綿谷雪1000円 

武芸流派大辞典を書いた綿谷さんの本。刀術、居合、柔術、槍術、長刀、手裏剣、棒術などなど、いろんな流派の伝系が載ってたり目録の図版が載ってたり、興味深いものが沢山載っている。鏡心明智流とか心形刀流、中西派一刀流と北辰一刀流など「へー、そうなんだ」と思うようなところがいろいろ。真偽の程は良くわからないけども。

◆桜華社「千葉周作遺稿」千葉栄一郎編8000円 

剣法秘訣、北辰一刀流兵法、剣術物語、屠龍餘技が修められている。巻末に栄太郎さんが書いた千葉周作小伝が併録されている。

◆黒龍会出版部「高士山岡鐵舟」黒龍会4500円 

少年時代から晩年までの詳細な伝記。やはり浪士隊上洛や清河八郎関連の話、勝海舟とも交わりなどは面白い。特に清河八郎とは何でそんなに親しかったのかと思うが、読むと面白いのだ。この話は鐵舟の自書「其人傑と問答始末」という回想記にのこされている。佐々木只三郎に斬られた一件は「アレは清河に罵倒された佐々木只三郎、窪田治部右衛門が清河を恨んで金子与三郎に「清河に倒幕の密議あり」と偽りを告げ、謀殺に及んだのだ」と書いている。また、高橋泥舟の清河回想も載っており、お蓮さんを出羽の熊井出村の医者の娘であると書いている。巻末に鐵舟遺稿・泥舟遺稿を併載。

◆春風館「山岡鐵舟の一生」牛山栄治8000円 

小倉遊亀の「俺の師匠」というのが山岡鐵舟のもっとも正確な資料であると言われているが、この本はそれをベースにして書かれた本。俺の師匠と同じような本で「鎌倉夜話」というのもあり、それも小倉老人の話を筆記したものらしい。原本が旧文体で書かれているのに比べ、こちらは現代文なので読むには重宝。彰義隊の顛末は山岡の自筆「戊辰解難巻末に鐵舟の年譜が載っていて、歴代老中などの名前が併記されている。
2001.11.29


戊辰戦争関連のもの
今まで買ったまま積んであった本を整理してみたら、戊辰戦争関連のものがいっぱいあった。最近お気に入りの本屋さんで海坂書房さんというところがある。白山通の一本入った筋にあるのだが店名はもちろん藤沢周平の小説にちなんでいるのだろう。掘りだしものが沢山あった♪

◆秋田書店「歴史と旅 特集・戊辰みちのく諸藩騒乱記」600円 

奥羽列藩同盟にちなむ特集で、史跡の場所はもちろん、東北独立政府樹立構想についての解説なんかも載っていて面白い。庄内藩は致道館所蔵の忠篤さまの素敵な写真が載っている。テーブルの上に飲みさしのビールジョッキらしきものが写っているということは、何か宴会の途中で撮った写真なのかも。

◆新人物往来社「歴史読本・戊辰大戦争」600円 

これも幕末諸隊の戦いとして額兵隊、衝撃隊、見国隊、衝鋒隊、伝習隊、遊撃隊などが解説されている。戊辰戦争を地域分けして近畿、関東、東北、北越、会津、蝦夷での戦いを解説している。戊辰戦争の研究初心者には重宝。

◆丸八商店出版「会津戊辰戦争 増補白虎隊女娘軍高齢者之健闘」平石辨蔵18000円 

会津戦争の基本史料として有名な本。この本がないとお話にならない。そしてこの値段で売られているのは珍しい。(もっと高い)口絵の写真と3色刷りの会戦図を見れば、いつどこで会戦があったか一目でわかる。文体も読みやすい。
◆雄山閣物語歴史文庫15・戊辰戦争物語」栗原隆一2000円
栗原さんの戊辰ものは読みやすく判りやすいので迷わずGET。遊撃隊や彰義隊のことが詳しく書かれているのも必見のポイントかも。(前にも買ったかも知れないのが心配どころ)

◆徳間書店「共同研究明治維新」思想の科学研究会編2000円 

これの冒頭、二ノ宮尊徳の改革についての論文がすごく面白くて、二ノ宮尊徳って本当に凄いおじちゃんだったんだなと実感した本。経済的に破綻した藩を10年掛かりで蘇生させる手順が書かれていて、あちこち引っ張り凧だったのが良くわかる。もとは小田原の人なんですね。噂を聞きつけた幕府に登用されて江戸湾の干拓をやらんか、と言われ興味が無いので断ったそうな。人民の生活改善に急務でないことには興味がなかったらしい。素晴らしい。そのほか足利将軍鳩首事件の思想的な考察や生麦事件のもたらした波紋、横井小楠が言うところの共和改革とはなんぞや、とかちょっと知りたいけど調べるのは面倒ってな事柄を判りやすく解説してあるのでとても重宝。しかし、思想ものは安く買えるなあ…

◆新人物往来社「史話・江戸は過ぎる」河野桐谷1200円 

伊庭八郎が箱根で襲われたときの話が載っている。山中専十郎というのの首を持って悠々と歩いていたら高橋というのが後ろから行って首を持っている手を斬ってしまった、そうすると何しろ伊庭八郎のことですからピストルを持っていて手を斬られながら後ろを向くといっしょにピストルで高橋の眉間を撃った。…というやつです。この話は秀頴会の皆さんの間では「伊庭ちゃんが後ろから斬られて振り向きざまピストルで撃つか!」とのことで却下されているそうな。
それと、井上馨が明治になってからロンドンに遊びに行ったときの思い出話で、火事見物をしていたらおまわりさんに「おまえも火消しを手伝え」と言われてバケツリレーに組み込まれたとか、変な話もあって笑える。
2001.10.15

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